掲載:2016.04.21)介護業界は本当に人材不足なのか?
■介護施設って本当に人材不足なの?■
2016年4月現在、介護施設は本当に人材が不足しています。現在の求人情報誌には、介護施設の事業形態に関わらず職員募集記事であふれています。
特に多いのは、夜間勤務(以下、夜勤)スタッフの募集です。介護職員も朝起きて夜寝るという普通の生活を送りたいと望むのは人の常というものです。しかし介護現場を考えると、高齢者は24時間356日生活をしていく中で、夜間も介助の手を必要としています。夜間だから「排尿はしないでください」や「排便はやめてください」とは言えません。
一方で、夜勤は夜勤手当がもらえ、1回の勤務で、2日分の時間を働く勤務シフトもあるため、金銭的な理由や時間を有効活用したいと望む介護職員がいるのも事実です。夜勤専従(やきんせんじゅう)という介護業界の言葉がありますが、介護業界に長く従事するベテランがこの夜勤専従、通称「夜専(やせん)」を好む傾向にあります。
本題の「介護施設は本当に人材不足なのか」に話を戻すと、介護業界特有の「夜専」を好む介護職がいるものの、雨後の筍のように新しい介護施設が次々と開業し、夜間勤務を必要とする求人の数も比例し増えてきます。結果、このスピードに追いつけていけず介護施設は慢性的に人材が不足しているのです。
また一般的に「介護業界は景気に反比例する」と言われています。日本の景気がよくなれば、介護業界以外の仕事に職員を取られてしまい、人手不足になり、人材募集費の経費がかかり、人件費が高くなります。結果として、介護施設の業績は悪化します。逆に、日本の景気が悪くなると、介護業界以外の仕事がなくなり、人手不足が解決し、人材募集費などの経費もかからず、安い人件費でも職員の採用ができるようになります。2016年4月現在は不安定な要素はありますが、まだ日本の景気は良いと判断されるでしょう。そのため、介護施設の人員は不足している状態が続いていると言えるでしょう。
ここ十数年、介護業界の動向を考察した上で、一番人材が安定していた時期があります。それはリーマン・ショックと呼ばれる2008年秋にアメリカの投資銀行が破綻してから半年後のことです。2009年春ごろには、日本の景気がどん底といえるくらい落ち込み、その反動で介護施設に未経験者の応募が殺到しました。 あまり遠くない日に同じような状況が起こるかもしれません。
そうなる前に人手不足といわれている今、先行者利得が得られる可能性もありますので、これを機に是非介護業界を一度経験してみるのも一つの方法かもしれません。
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