掲載:2016.07.16)介護施設を知るシリーズ④ ~「サービス付き高齢者向け住宅」とは~
『サービス付き高齢者向け住宅』とは、
ここ5年程でできた制度で、よく「サ高住」と呼ばれているものの正式名称です。
では、特徴をお話しします。
◆「自立から軽度の人向け」
サ高住は、住宅型有料老人ホームと同様に一部の施設を除き、特定施設入居者生活介護の指定を受けていません。この為、介護が必要である場合は居宅サービス事業者と別に契約します。
サービス付という名前なのに介護サービスが付いていないの?と思ったかもしれませんね。このサービス付きのサービスとは、あくまでも「安否確認や生活相談を承りますよ」というもので“介護を提供します”というものではありません。
よって、住宅型有料老人ホーム同様に介護サービスの多用は、居宅サービス事業者に支払う利用料が上がることになりますし、軽度の場合はある程度サービスを好きにプランに組み込めるメリットも同様です。
しかし、重度の場合は介護費用が高額になる事と、重度化に比例して介護が必要な場面が増えるのにサ高住の事業者からは介護が受けられない為、現実的ではありません。
就職や派遣先を探している人からみると、「あまり重度の人が住むところはイヤ。」という人に向いています。重度の人が居ないということは、居る所と比べて死に直面する可能性が下がりますね。この事から、「高齢者の死と直面したくない」という人にも合っています。
上の説明では、有料老人ホームと違いがありませんね。しかし、有料老人ホームとサ高住には明確な違いがあります。
◆「有料老人ホームとサ高住で異なる点」
実は施設や有料老人ホーム・サ高住といったところには、運営に際して最低限超えていなければならない色々な基準が存在します。例えば専有面積ですが、有料老人ホームの個室床面積の最低は13平方メートルですが、サ高住の場合は25平方メートル(共同スペースがある場合は18平方メートルでも良い)必要です。そして住宅型有料老人ホームとサ高住の大きな違いは利用権契約(住宅型有料老人ホーム)か賃貸借契約(サ高住)かの違いです。これは、サ高住が高齢者の住まいを確保する法律に基づいた賃貸物件である事が関係しています。そして、サ高住は高齢者が住まいを確保し易くする為という制度の通り、入居一時金を徴収する事が認められておらず、入居しやすいようになっています(但し敷金は必要)。
似ているようで異なる施設の特色や仕組み。
これらをより理解し、利用者の立場に立ちながら介護業務を行うことで、より利用者やそのご家族に寄り添った介護支援ができるのではないでしょうか。