掲載:2016.12.24)【介護のお仕事 ~スキル編~】認知症で食事を食べない方への対応方法
近年、認知症を患う高齢者は増加しています。認知症の方への対応は難しいと感じる事が多いかも知れませんが、ここでは食事を食べない方への対応方法をご紹介したいと思います。
■食べない原因を探ってみましょう
認知症になると、前まで出来ていた事が出来なくなってくる場合があります。食事に関しても、前まで一人で問題無く食べる事ができていたのに、急に(又は徐々に)食べる事が出来なくなってしまった場合でも、関わり方次第で一人で食べる事ができる場合もあります。
まずは、何故食べないのか、原因を考えて行く必要があるでしょう。
■原因に対してのそれぞれの対応方法
食べない原因として、いくつかの場合があります。
例えば、
①食べ物が食べ物だと分からない場合
②どのようにして食べれば良いのか、食べ方が分からない場合
③食べ物が見えていない場合
④お腹が空いていない場合 等が考えられます。
▼①の対処法▼
目の前の物が食べ物だと理解してもらう働きかけが必要です。「美味しい」や「食べてみて」等の声かけをしたり、隣に座って一緒に食事を摂る事も有効な場合があるでしょう。最初の一口は介助者が介助し口に運ぶ等試してみましょう。
▼②の対処法▼
お箸やスプーンを持たせてさしあげたり、見本を見せたり、少し食事介助をすれば上手くいく場合があります。上手く食べ始めたと感じても、すぐに手が止まってしまう場合もありますので、注意して観ておく必要があります。
▼③の対処法▼
空間無視等によって見えていない場合です。日頃から右側か左側のどちらかの物だけ手を付けず残したり、歩いていてもどちらかによくぶつかる等が見られる場合は、見えていない事がありますので、見やすい位置に食事をセッティングしたり、声掛けを行いましょう。
▼④の対処法▼
食事のタイミングをずらしてみたり、気分転換を促してみたりなどを行い、おなかがすくタイミングを見計らうなどの対処を行いましょう。
■食べる意欲を引き出すには
上記の原因以外にも、様々な原因があるかも知れません。一人で静かな環境であれば食べる方や、反対に、皆と一緒に賑やかな楽しい環境であれば食べる方等もいる事でしょう。食事環境も左右される場合がありますので、検討してみましょう。
また、日中の活動性の低下等も原因の一つとしてあるかも知れません。私たちも、よく動けばお腹も減り、食事も美味しく感じます。食べる意欲が引き出されるメカニズムも頭に入れておきましょう。
色々な方法を試してみても尚、改善されず、食事を摂る事が出来ない場合は脱水を引き起こしたり、命に関わってくる事もあります。栄養補助食品や点滴の施行等も必要な場合がありますので、その場合には医師に相談しましょう。
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