掲載:2017.01.21)【地域包括ケアシステム】とは
現在、高齢者の人数は増え続けており、2025年には約800万人が75歳以上になると言われています。高齢者が増える事によって介護給付等により、財政は益々圧迫される事でしょう。
超高齢化社会を迎えるにあたり、問題や課題は沢山あります。そこで、高齢者や要介護者が増えたとしても、住み慣れた地域で最期まで安心して生活を続ける事が出来るように、また、財政の負担軽減の為に、「地域ケアシステム」が設立されました。
ここではもう少し詳しく【地域ケアシステム】の内容をご紹介したいと思います。
◎国から地域へ
これまでは、介護や医療等、国単位での取り決めに基づいて各事業者は、サービスを提供してきましたが、これからは市町村が主体となりサービスを提供していく方向で動いていくようになります。
今までは、介護は介護、医療は医療というように、大きな枠で区切られており、介護保険サービスでは出来る事が限られているため、在宅生活を送る高齢者は、
「いつまで在宅生活を続ける事が出来るのだろうか」
「施設に入りたくても待機者が多く、どうしたら良いのだろう」
と不安を抱える方は現在でも多いかと思われます。
介護サービスや医療サービスの隙間を、地域独自の取り組みで埋めていき、高齢者が安心して生活出来る環境を整えていこうというのが、【地域包括ケアシステム】だと言えるでしょう。
◎施設から在宅へ
特別養護老人ホームの入居要件とし、基本的には要介護3以上の方となっています。待機者も年々増加しているものの、人員確保や施設の整備等も追いついていないのが現状です。
高齢者のうちの半数を超える方が、施設では無く、介護を受けながら自宅で暮らしたいと望んでおられるようです。政府も、在宅生活を軸に今後のサービスを整備していく方針です。
◎地域での取り組みが大切
では、地域での取り組みとして、具体的にどのような取り組みが挙げられるのでしょうか。
例えば、訪問介護を例に挙げると、今までは介護保険サービスで、調理をしていた所を配食サービスやボランティア等での対応に替えていこうという事があります。又、見守り等も強化し、在宅で生活する高齢者にとって安心できるような取り組みや、健康の維持・向上や、社会参加を目的とした、体操教室や集会等も強化していく方向にあるでしょう。
◎様々な分野・事業所の連携
地域ケアシステムの導入に伴い、地域ケア会議というものも始まりました。これは、定期的に地域の事業所等が集まり、会議によって問題点の改善に努めたり、イベントを検討・実施したり、事業所同士の連携・ネットワークを図るものです。このように、地域全体で、高齢者の生活を支えて行こうという取り組みが、【地域ケアシステム】だと言えるでしょう。
【予告】次回は『地域包括ケアシステムにおける在宅サービスの役割』をお届けします。
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