掲載:2018.05.05)いまさら聞けない介護の資格① ~資格の種類と取得するメリット~
いまさら聞けない介護の資格① ~資格の種類と取得するメリット~
身体介護を行うには、必ず介護の資格が必要です。介護に関する資格はたくさんあるので、その種類やメリットを実はあまりわかっていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、そんないまさら聞けない介護の資格である「介護職員初任者研修」と「介護職員実務者研修」、「介護福祉士」についてご紹介します。
◆介護職員初任者研修とは?
「介護職員初任者研修」は3カ月程度で取得できる資格で、介護の仕事を始めるときに最初にとっておきたいものです。昔の「ホームヘルパー資格2級」に、相当するといわれています。
以前のヘルパー2級資格を取得する場合は、受講するだけでとることができました。しかし現在の「介護職員初任者研修」には試験があります。かつてのヘルパー資格をとった方から「簡単にとれるから!」と言われることもあるかもしれませんが、受講したらその内容をきちんと復習しなれければとれない資格だと考えておくほうが安心です。
◆介護職員初任者研修をとるメリット
「介護職員初任者研修」を取得すると介護資格保持者となるので、仕事の幅が広がります。無資格ではできなかった身体介護ができるようになると、給与が高くなったり資格手当てがついたりすることがあります。
また介護の現場で正社員として勤務したいときに、無資格で採用されることはほとんどありません。無資格の方は、入社した後に資格をとることを条件に正社員として採用されることがほとんどです。
◆介護職員実務者研修とは?
「介護職員実務者研修」は、実務経験では修得できない知識や技術を学ことができます。かつてのホームヘルパー1級資格+αの資格で、将来国家試験としての「介護福祉士」を受験する際に必要な研修でもあります。研修時間は450時間と長時間ですが、数年かけて少しずつ修了していくことが認められているだけでなく、通信教育を利用することも可能です。
また「介護職員初任者研修」を持っていれば、130時間の研修は「読み替え」という形で免除されます。「旧ホームヘルパー資格」を受けた方も一定時間の免除がありますので、ヘルパーの資格を持っている方でキャリアアップを考えている方は免除の条件や免除時間を確認してみましょう。
◆介護職員実務者研修をとるメリット
この研修を受けることでこれらの専門的な介護の技術を行える介護のプロとなることができます。例えば、これまで「医療行為」と位置づけられていた「たん吸引」や「経管栄養」が、2012年4月から実施された法改正で「一定の研修を修了した介護職員」も一定の条件をクリアすれば行うことができるようになりました。これらの実技指導を「介護職員実務者研修」で受けることができます。
また、多くの訪問介護事業所では、「介護職員実務者研修」か「介護福祉士」のどちらかの資格を持っていることが、「サービス提供責任者」の条件となっています。つまり、この研修を終えておくと就職や転職に有利になり、キャリアアップしやすくなります。
◆介護福祉士とは?
「介護福祉士」は、「社会福祉士及び介護福祉士法」により定められた「介護・福祉分野の国家資格」で、直接介護を行う介護職の資格の中で最も難易度が高く説得力のある資格です。
利用者の方々の食事や入浴のお手伝いをするだけでなく、利用者家族の方に対しても負担なく質の高い生活ができるようにアドバイスを行います。また福祉サービス関係機関との連携をとりながら介護を進めていきます。このような利用者の介護環境整備も、仕事内容に含まれます。
◆介護福祉士をとるメリット
介護福祉士資格はキャリアアップや給与アップのためだけでなく、自信を持って介護職を継続して行くには目指したい国家資格だといえます。
2017年1月の試験までは「介護の実務経験3年以上」という要件を満たしていれば、介護福祉士の試験を受けることができました。しかし現在は、専門学校等で2年の専門的教育課程を経ていなければ、受験時までに実務者研修の450時間の受講が義務付けられるようになりました。つまり、より専門性の高い資格となったわけです。そのため資格取得の難易度は高まりましたが、資格の価値も同様に高まったということです。
例えば「介護福祉士」であれば、サービス提供責任者や生活相談員といった有資格者でなければならないポジションにつくことができます。どんな場面でも働ける介護のプロということで、給与等の待遇も無資格の介護職の方達よりもよくなることが多く、将来の管理職候補として期待されるようになります。
国家資格である「介護福祉士」の資格を取得するには、「実務経験3年以上」と「6カ月以上の実務者研修の受講と修了」が必要です。将来「介護福祉士」をとりたい方は、「介護職員実務者研修」を修了していると実技試験が免除されますので研修を受けておくことをおすすめします。
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