掲載:2018.05.12)いまさら聞けない介護の資格② ~資格の種類と取得するメリット~
いまさら聞けない介護の資格② ~資格の種類と取得するメリット~
介護の資格は種類が多いだけでなく、名称や法律が改正されて行える業務内容の範囲変更も多いですよね。介護の現場で働いている方でも「どの資格が何を行えるのか」といったことがわからないまま、ということもあります。
今回は、「ケアマネジャー」や「認定介護福祉士」、「社会福祉士」についてご紹介します。
◆ケアマネージャーとは?
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、2000年の介護保険法施行にともない生まれた資格です。ケアマネジャーになるには、「介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)」に合格する必要があります。
2016年以降、受験資格は「国家資格等保有者」と「生活相談員等の相談援助業務従事者」に限定されました。どちらの資格を所持していても「通算5年以上かつ900日以上勤務した実務経験」も必要となります。試験範囲は介護支援分野と保険医療福祉サービス分野となります。
◆ケアマネージャーをとるメリット
「ケアマネジャー」は介護職のプロが到達を目指すひとつの目安となっている資格です。無資格や未経験では受けられない資格であることから、この資格を持っていればそれだけ介護に関して従事してきた専門家であることを証明できます。給与もあがることが多く、待遇もよくなります。また転職やキャリアアップにも、有利な資格です。
通常、ケアマネジャーになるまでは、食事や入浴といった利用者の自立支援のために「現場」で介護を行います。しかしケアマネジャーになると、ケアプランを立てたり利用者の情報や介護サービスの報酬を確認したりするデスクワークが中心になります。またケアマネジャーの業務は日中にしか行えないものが多いので、夜勤をすることはありません。
そのため介護業界では、体力のあるうちに現場で経験を積み、身体に無理がきかなくなる頃までにケアマネジャーを目指す方が多いといえるでしょう。
◆認定介護福祉士とは?
介護職の国家資格といえば「介護福祉士」ですが、「認定介護福祉士」は一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構が2015年12月から認定を開始した民間の資格で、介護福祉士の上位資格として作られました。
「認定介護福祉士」の最初の研修である「認定介護福祉士養成研修Ⅰ類」の研修は345時間です。この講習を受講できる条件は、介護福祉士の資格を持っているだけでなく、介護福祉士としての実務経験5年となっています。この研修を終えると、「認定介護福祉士養成研修Ⅱ類」255時間の研修となります。
◆認定介護福祉士をとるメリット
「認定介護福祉士」の資格は、介護福祉士の資格と同様に介護現場のプロであることを示すことができます。今までは「介護福祉士」が介護現場でリーダーとなることが一般的でしたが、それよりもワンランク上のポジションとして設立されたという経緯があります。
将来介護業界でリーダーを目指したい方が、とっておくとよい資格だといえるでしょう。もちろん、キャリアアップだけでなく、転職の際にも有利な資格です。給与や待遇などもアップすることが一般的です。
◆社会福祉士とは?
「社会福祉士」は国家資格であり、「ソーシャルワーカー」とも呼ばれる福祉業務全般を行う専門職です。医療現場であれば「医療ソーシャルワーカー」、児童相談所では「児童福祉司」、老人福祉施設や介護施設であれば「生活相談員」の役割につくことが一般的です。
介護業界では「社会福祉士」は、心理的・身体的・経済的困難な事情がある方から相談を受けて、問題を解決に導く援助を行います。また医療機関や施設との連携を取りながら、利用者が質の高い生活を送れる整備を行っていきます。
受験資格は、福祉系4年生大学卒業者や会福祉士指定養成施設卒業者です。実務経験がなくても一般大学を卒業していれば、一般養成施設等で養成講座を受けて受験資格を得ることができます。
◆社会福祉士をとるメリット
「社会福祉士」の資格をとっておくと資格手当が給与にプラスされることが多いというメリット以外に、施設で役職につく際の要件に「社会福祉士」を取得していることが推奨されていることがあります。
これらのことから、介護の現場でキャリアアップをはかりたい方はとっておくほうがよい資格です。また精神保健福祉士を取得していれば免除される試験科目がありますので、試験範囲に関しては確認することをおすすめします。
介護業界で働きながら「社会福祉士」の資格を取得した後、生活相談員になる以外に、病院のソーシャルワーカーや域包括支援センターなどでも働けるポジションがありますので、転職しやすくなるというメリットもあります。介護の現場での体力はないけれど、介護業界が好きで働き続けたいという方におすすめの資格です。
>その他の資格については前号【いまさら聞けない介護の資格①】へ
>次号【いまさら聞けない介護施設の種類①】をご覧ください
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